※この記事は本来11月初旬に開催される生駒祭(文化祭)において載せる予定だったものです


・201系とは
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湖西線を走行する森ノ宮の201系LB03編成
201系電車は1979(昭和54)年に登場した国鉄の通勤型電車です。基本的な見た目は奈良線などで活躍する103系と同じ単色塗りの4ドア車ですが、前面の上半分が黒く塗られて引き締まった姿になっていることで見分けることが出来ます。

この電車は従来の国鉄車両よりも省エネ、省メンテナンスに重きを置いた設計になっており、登場時は「省エネ電車」の名前で呼ばれました。
従来の電車と一番異なる点としては制御装置に「サイリスタチョッパ制御」という従来と比べてエネルギー効率と重量軽減に優れたものが使用されたことです。そのため、加減速時にこの装置から発生する甲高い音が同形式の大きな特徴になっています。



・201系のこれまでと現状
・関西圏における歴史
1981年から京阪神緩行線(関西地区の東海道本線・山陽本線各駅停車)に導入されました。当時の色はスカイブルーの単色塗りです。
この頃は網干総合車両所明石支所(明石品質管理センター)に最大で7連32本が所属していましたが、2007(平成19)年3月に同路線から撤退しました。

その後、当時の森ノ宮電車区と、奈良電車区に転出され、両数が8両と6両に、色がオレンジ色とウグイス色にそれぞれ変更されています。
車両の動きが落ち着いていた2015(平成27)年の時点では森ノ宮に8連16本、奈良に6連16本が所属していました。 


・令和の201系
ここから令和を迎えた現在の201系について見ていきます。
令和改元の2019(令和元)年5月1日時点では吹田総合車両所森ノ宮支所と、奈良支所にそれぞれ所属していました。

森ノ宮支所
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2017年9月に検査明け試運転を行った際の201系LB9編成
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LB9編成に連結されていたサハ201-84
主に大阪環状線やJRゆめ咲線で運用される同所属区では、改元時点LB09編成(クハ201-94以下8両編成)の1本のみが所属していました。
新型車両の323系による置き換えが進んでいたため、2019(令和元)年6月7日をもって引退しています。
同区の201系が引退したことで8連の201系が姿を消し、同時に中間付随車であるサハ201形(2枚目)が形式消滅しました。
またこれにより、201系のみならずオレンジバーミリオン1色塗りの国電が消滅となっています。


奈良支所
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2017年に森ノ宮から転入したND618(元LB8)編成
主に大和路線やおおさか東線で運用される同所属区では6連21本が所属しています。
奈良の201系は長らく16本体制でしたが、103系6連の置き換えと2019年3月のおおさか東線全線開業に合わせて新たに森ノ宮支所から4本が転入したことで以前より本数が増えています。

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2019年8月の検査でグレー床下化されたND614編成
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森ノ宮から転属してきたND622編成。黒床下で前面編成車番ステッカーありの姿が現在の基本形態
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2020年9月の検査出場でグレー床下化されたND602編成。Tc1-66は車番の位置が通常より左下にある
2020(令和2)年夏現在、201系は同区に所属する車両のみで、同形式最後の牙城となっています。
2017年頃まではあまり目立った形態差や変化がありませんでしたが、この数年で側面に奈良をモチーフにしたステッカーの貼り付けや床下がグレー化された編成の登場など急速にバリエーションが増えました。
細かい部分では車番貼り付け位置が異なる個体(Tc201-66や143)、グレー床下化したにも関わらず片方だけスカートが黒のままである編成(ND602編成Tc200-66)などの形態差も存在し、様々な見た目の201系が入り乱れています。更に2020年夏頃から前面に編成番号ステッカーが貼り付けられており、やや見た目が変化しました。

現在201系は大和路線とおおさか東線の大多数の普通列車および一部快速列車が201系で運用されています。しかし、これらも2024年を目処に置き換える計画が発表されており、実際すでに大和路の201系に廃車が発生しているため先行きは明るい物ではありません。